逢瀬
仕事が終わってからのキラキラ☆イルミネーションデート、祝日の昼間からの鎌倉デートなんかでは、本当にお互いを理解することなんてできなかったんだろう。
逢瀬を繰り返していくうちに、どんどん現実は見えてくる。
私が彼と外で会ってるってことは、その間に娘ちゃんを見てくれている人がいるわけで、実家が近くにあるわけでもない彼は、要するに、助けてくれる人は元奥さんなわけで。まだ離婚して間もないのだろうし、母親が娘に会いたいのも当たり前だし。
事情は分かっても複雑な気分。
そんな大人の事情は置いておいて、アラフォーの恋は盲目的に進んでいく。
初めてうちに来た時も、なんとなく大した男ではない?と気づいていたけど、久しぶりの純情な自分に酔っていたんだと思う。キラキラの目は何も見てなかった。恋してる自分だけ。
「人間は幸せを前にすると急に臆病になる。
幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気がいる。」
そんな下妻物語のセリフを思い出しながら、自分を奮い立たせたりもしていた。
次の週末は初めて現実と向き合う。娘ちゃんに会うんだ。
まだ、なにもわかってなかった。。