出会い
今年は例年にくらべて、11月はまだ暖かかった。
彼と出会った頃はそんな時期で、1回目のデートも2回目のデートもテラス席に座ったけど、夜でも少しも寒くなかった。
仕事終わりにスーツできた彼は、すごくかっこよくて、眺めてにやけたりしていた。
私よりもまだ若く、ハツラツとしている彼が、一人で娘を育ててることを想像するだけで、燃えた(笑)。
帰り際に握ってきた手は、すごく乾燥していてザラザラだった。
家事をたくさんしているけど、男だから大したケアもしていないんだろう。
クリスマスまで一緒にいたら、めっちゃ良いハンドクリームをプレゼントしよう。と、その時は漠然と考えていた。
出会って初めての週末には、鎌倉でデートした。
その頃はまだ、彼の元奥さんが近くに住んでいたみたいで、頻繁にデートできていた。
どちらかというと夜型の私には、11時に鎌倉集合はかなりのプレッシャーだったけど、陽の光の下デートできるのもうれしくて、いつもより自然に目が覚めちゃったりした。
鎌倉に向かう電車の中で、ケイティ・ペリーの
「Teenage Dream」を繰り返し聞いた。
文字通り、10代の頃みたいに胸が高鳴って、こんな恋愛、二度とできないと思っていた過去の自分を哀れんだり慰めたりしてた。
妄想だけが先走ってたのかもしれない、でも、20代でも30代でもない、40過ぎてティーンエイジドリームがしっくり来てる私!
"You make me feel like like a livin a Teenage dream"
バカみたいだけど、夢みたいだった。
緊張で顔がこわばっていたけど、幸せだった!
なにも求めない。感謝しかなかった。